医療・美容コラム

一般皮膚

ニキビ治療薬の正しい使い方

「ニキビの薬を使い始めたけど、なかなか良くなりません……」

「別の病院で薬をもらっていたけど、良くならないのでこちらに来ました」

「もっと強い薬はないですか?」

ニキビのお悩みで受診される方から、こんな声を聴くことがあります。

もちろん、どんな薬も効果には個人差があります。塗り始めてから良くなりました!と言う方もいれば、あまり効いていないですと言う方もいます。

ただ、「効かない」と言う患者さんの中には、そもそも正しく塗れていない方も多いのです。正しく使えていないのにころころと塗り薬を変えても、効果は期待できません。

今回は、ニキビ治療薬の正しい塗り方について説明していきます。

ニキビ治療の塗り薬は、大きく分けて2種類あります。

白ニキビを予防する薬(ざ瘡治療薬)と、赤ニキビの炎症を抑える薬(抗生剤)です。

 

抗生剤は、赤ニキビが出ているところにめがけて塗ります。

 

一方、ざ瘡治療薬は「面で塗る」のが基本です。「ニキビができているところだけに点塗りしていました」という方もいるのですが、それだと予防効果が得られないので、顔全体、もしくはニキビが出やすいパーツに面で塗り広げるようにしましょう。

 

また、薬の量が足りていないという方も多いです。基本的には、指先から人差し指の第1関節までの量が顔全体に適した量になります。それを毎日使うので、1か月前後で1本無くなるくらいの計算です。

 

ざ瘡治療薬は、使い始めてから1か月くらいはひりひりとした刺激症状が出ることがあります。これは自然な現象で、皮膚が慣れると落ち着いてくるのですが、「薬が合わなかった!」と勝手にやめてしまうパターンが多いです。もちろん、本当にかぶれの症状が出てしまう方もいるのですが、一時的な刺激症状を「かぶれ」と決めつけてしまうことで使える薬の幅が狭くなってしまいます。刺激症状がつらい場合は、塗り方を工夫することで無理なく使い続けられる方も多いので、心配であればまずは受診していただければと思います。その際は、症状が強いときの写真を撮ってきていただけると助かります。

 

ニキビの状態をフォローしていくうえで、必要があれば薬の変更を検討しますが、効果が出にくいという方は、まずは使い方を見直してみましょう。

治療のうえで不安なことがあったり、かぶれているかも?と感じたら、無理せず受診してくださいね。