【2025/02/27投稿】
「身体の片側に、赤いぶつぶつができて、ステロイド外用を塗ったら悪化した。」
「筋肉痛かな?と思っていた場所に、水ぶくれが出てきました。」
その症状、もしかすると帯状疱疹かもしれません。
帯状疱疹とは
帯状疱疹は1年を通してよく見られる疾患ですが、季節の変わり目やお盆・年末年始のあたりなどに特に多いように感じます。
子供のころ「水ぼうそう(水痘)」にかかったときのウイルスは、水ぼうそうが治った後も体内の神経節にずっと潜んでいます。それが年齢を経て、ストレスや過労、インフルエンザやコロナウイルス等のワクチン接種などにより免疫力が下がることでウイルスが元気になり、神経が支配する皮膚に至り、「帯状疱疹」として発症します。
身体のどこにでもできますが、赤い発疹(紅斑)や水ぶくれ(水疱)が、右か左のどちらか片側の一部に発症するのが特徴です。また、痛みやしびれるような違和感を伴うこともあります。
治療法
治療は、ウイルスの勢いを抑える飲み薬(抗ウイルス薬)を1週間内服します。痛みやしびれ感が強い場合には、痛み止めを一緒に処方することもあります。
人によっては、抗ウイルス薬を飲み終わった後も痛みが残ることがあるため、痛み止めを飲みながらしばらく通院してもらうことがあります。
容易にうつるものではありませんが、水ぼうそうのワクチン接種が終わっていないお子さんとの接触はなるべく避けるようにしましょう。
治療が遅れると、皮疹が深いきずになってしまったり、痛みが長引いてしまったりすることがあります。また、頭痛や発熱などの全身症状が出てくることもあります。
痛みを伴う水ぶくれができているという方は、早めに皮膚科を受診してくださいね。
予防法
また、帯状疱疹はワクチンで予防することができます(※完全に防ぐものではありません)。
ごくまれに水痘ワクチン由来の帯状疱疹の発症も報告されていますがほんの数例であり、ワクチン接種によるメリット(帯状疱疹を発症しにくくなる、発症しても症状が軽く済む)の方がはるかに大きいです。
小児は10年ほど前から定期接種となっていますが、成人でも発症率が増加する50歳以上の方はワクチン接種を推奨されていますので、ぜひ検討してみてくださいね。