皮膚のトラブルと症状
湿疹
症状と原因
湿疹は皮膚炎ともいいますが、当院を訪れる患者様の悩みの中で最も多く、日常診療の上で最も頻繁に遭遇する疾患です。かゆくて眠れない、皮膚が赤くなって治るか心配だ、湿疹を人に見られたくない、など悩みも様々で、日常生活に支障を来すことも多々あります。このような悩みを解決することで快適に毎日の生活を送る手助けをさせていただくことは、皮膚科医院の最大の役目だと思っております。かゆみで悩んでいる方、湿疹がなかなか治らずお困りの方は、「たかが湿疹」と思わずお気軽にご相談ください。
湿疹は環境要因と個人の要因が絡み合って生じていると考えられています。環境要因とは花粉やハウスダスト、細菌、ウイルスなどでそのような外界の物質が体の中に入ってきたときに、異物を除去しようと反応が起こりますが、その反応の程度は個人の健康状態や元々の皮膚の状態、アレルギー体質かどうかなど個人の要因によって異なります。
また湿疹ができた後かゆみでかいてしまっていることで湿疹が悪化し、最初の原因はなくなっているのになかなか湿疹がよくならず、よくならないからなおさらかゆくてかいてしまい更に湿疹を悪化させるという悪循環を生じ、湿疹から離脱できない患者様が多くいらっしゃいます。
治療法
ステロイド外用剤
ステロイド外用剤は皮膚の炎症を軽快させ、その結果皮疹のかゆみを軽減させる働きがあります。ステロイド外用剤は薬効の強さによりI群、II群、III群、IV群、V群の5つに分かれています。ステロイド外用薬の効果の高さと副作用の起こりやすさは一般的に比例することから、必要以上に強いステロイド外用薬を選択することなく、個々の皮疹の重症度に見合ったランクの薬剤を適切に選択することが重要です。
ステロイド外用剤に抵抗のある患者様もいらっしゃるとは思いますが、湿疹の程度や皮膚の状態、皮疹の部位に応じて適切な強さのステロイド外用薬を適切な期間使用することで副作用のリスクを最小限に抑え湿疹を効果的に改善することができます。ステロイド外用剤を使用する事にご不安がある方にはどのくらいの強さのものをどのくらいの期間、どのような方法で使用すればよいかご説明致します。
抗アレルギー剤
抗アレルギー剤にはかゆみを軽くする効果があります。かゆみが軽くなると掻くことが減るため掻くことによる湿疹の悪化を防ぐ効果はありますが、直接的に湿疹を直す作用はありません。
薬疹
症状と原因
薬疹とは、薬疹は薬の内服や注射によって生じる皮膚、粘膜の発疹です。全身あるいはかなり広範囲に生じることが多いですが、例外もあるため薬を飲み始めた時期や他の原因の有無などが重要になります。
治療法
原因薬剤が明らかな場合には薬剤を中止します。軽症から中等症の場合はステロイドの塗り薬と抗ヒスタミン薬、抗アレルギー薬の内服を行います。重症例はステロイド薬の内服を行いますが、場合によっては入院施設のある病院へ紹介することもあります。
蕁麻疹
症状と原因
蕁麻疹とは、円形あるいは地図状のわずかに盛り上がりのある赤い発疹が突然生じ、強いかゆみを伴うことが多いです。圧迫されたり摩擦が生じる部位に出やすく、多くは数時間から24時間以内に消退します。
治療法
抗ヒスタミン薬の内服が第一選択です。重症例にはステロイドの内服・点滴を行うことがあります。
脂漏性皮膚炎
症状と原因
脂漏性皮膚炎とは頭や顔、わきなど皮脂の分泌が盛んな部位に生じやすく、赤くかさかさとしたフケのようなものが見られ、軽度のかゆみを伴うことが多いです。
治療法
石けんやシャンプーを用いた適切な洗顔、洗髪を行うことで湿疹部位を清潔に保つことが大切です。ステロイドの塗り薬や抗真菌剤の塗り薬を用いて治療します。ビタミンB2やB6の不足によって悪化することがあるのでビタミン剤を併用することがあります。
アトピー性皮膚炎
症状と原因
アトピー性皮膚炎は、①乾燥肌と②アレルギー体質の2つの要因が組み合わさり発症します。かゆみを伴う湿疹が改善したり増悪したりを繰り返します。一般的には乳幼児期に発症し成長とともに自然治癒することが多いですが、思春期以降に再発することがあります。生まれつき皮膚のバリア機能が低下しているところに、食物、汗、環境因子、ストレスなどさまざまな刺激因子が作用して慢性の湿疹を形成します。
特に顔、頸、肘、膝などに顕著に症状が現れます。アレルギー性のぜんそくや鼻炎、結膜炎を合併している方が多いといわれています。年齢によって皮疹に特徴があります。
乳幼児期(2ヶ月〜4歳)
初期には頭や顔に赤い湿疹やぶつぶつが生じ、徐々に胸や背中などの体にひろがります。皮疹はじくじくしやすく、かさぶたやかさかさした皮疹がつくことがあります。
小児期〜思春期
皮膚全体が乾燥してかたくごわごわしてきます。肘や膝、わきなどの湿疹が目立ちます。
成人期
症状は基本的に小児期と変わりませんが、皮疹の範囲がさらに拡大し、暗褐色で硬くごわごわした皮膚の面積が多くなります。眉毛の外側が薄くなったり、首から胸にかけて色素沈着がみられます。また腕や脚にかゆみを伴ういぼのような皮膚の盛り上がり(痒疹結節)ができることもあります。
治療法
<外用剤による治療>
保湿剤
乾燥した皮膚は、表面が荒れて小さな傷がたくさんある状態と同じです。アトピー性皮膚炎の患者様では、皮膚が乾燥しやすい状態にあるため、しっかりとした保湿とスキンケアを行って行くことが治療の基本となります。保湿剤は多種多様なものがあり、人によって使用感も違うのでどのようなものを使ったらよいかわからないときはご相談ください。
ステロイド外用薬
現時点でアトピー性皮膚炎の皮膚に生じる炎症を抑えることができ、有効性と安全性が確認されているのはステロイド外用剤とプロトピック軟膏のみです。皮疹の重症度と部位に見合った適正な強さのものを使用することで皮膚の炎症を改善してくれる、とても有効なお薬です。しかしステロイド外用薬の役割はあくまで湿疹部分で起きている炎症反応を押さえ込むことで、塗れば塗る程皮膚を丈夫にしたり、湿疹が起こりにくい体質になるわけではありません。大切なことはステロイド外用剤のみに頼った治療を行わず、適切なスキンケアと保湿を行うことです。そうすることでステロイドの使用量を最低限に減らす事ができます。
プロトピック軟膏
皮膚の炎症(湿疹)をよくするための塗り薬で、炎症を抑える強さはII群からIII群くらいのステロイド外用薬と同程度と言われています。分子量が大きく、正常な皮膚からはほとんど吸収されないため、ステロイドのような副作用が出現しにくいのが特徴です。塗った直後に一時的に皮膚のほてりやひりひり感などの刺激感が出ることがあります。このような刺激感は皮膚の症状が良くなるにつれて1週間くらいでたいていは消えていきます。皮膚がじくじくしている部分やにきびなどがある部分、粘膜には塗らないようにしてください。
プロアクティブ療法について
アトピー性皮膚の治療で、ステロイド外用薬で皮膚をきれいにした後も一定の間隔で薬を使う手法をプロアクティブ療法をいい、近年注目されています。これまでは症状が出たときにのみ薬を使い、症状が改善したら保湿剤のみに切り替える方法が一般的でした。プロアクティブ療法は症状が出ていないときも先手を打って薬を使用する治療法です。この治療方法の根拠として、外用薬の使用により皮疹が改善し治ったように見えても、目に見えないレベルで炎症細胞が残っており、ちょっとした刺激で皮疹が悪化することが様々な研究により証明されています。具体的な方法ですが、皮疹の悪化時まずステロイド薬を1日最低2回はきっちり塗って、皮膚炎を改善させます。その後、保湿剤を塗りながらステロイド外用薬やプロトピック軟膏を塗る回数を徐々に減らしていき、最終的には週に2、3回程度の外用を継続します。そうする事で、症状が出ない寛解状態を長く保つ事が期待できるとされています。皮膚炎が良くなっているにも関わらずステロイド外用薬を塗り続けることに不安を抱くのはもちろんですが、炎症がぶり返すたびにステロイド外用薬を使用するよりも週に2、3回きっちり塗った方が副作用のリスクは少ないとされます。また良くなってから使用する外用薬はステロイド外用薬ではなくプロトピック軟膏でも同様の効果が期待できますので、希望に応じてそちらを用いる事があります。
<内服薬による治療>
抗ヒスタミン剤、抗アレルギー剤
抗アレルギー剤には、かゆみを止める作用と飲み続けることでかゆみをでにくくする作用があります。掻く事で湿疹は悪化してしまうので、掻き壊してしまうほどのかゆみを伴う場合は内服することでかゆみをコントロールした方がよいと考えます。しかしアトピー性皮膚炎の皮膚症状を改善させるのはあくまで外用療法が基本となります。
漢方療法
漢方薬は体のバランスを整えて疾患を改善していくお薬です。通常のステロイド外用、保湿のみで改善がみられない方でも漢方薬で改善がみられる場合があります。
免疫抑制剤
従来の治療では効果がなく、激しいかゆみのある成人のアトピー性皮膚炎に有効で、短期間で著明に改善することがあります。副作用として感染症や腎機能障害、高血圧、脂質異常症などが出る事がありますので、使用の際は定期的な血圧足底、血液検査などのモニタリングが必要です。
<スキンケア>
ライフスタイルの中から刺激になるものを取り除きましょう。皮膚に対する余分な刺激は症状の悪化につながります。ハイネックやタートルネック、下着の縫い目、衣類の金具が直接皮膚に触れることで刺激となります。髪の毛の刺激、汗、水仕事、シャンプーや洗剤の洗い残しなども刺激となります。また可能なかぎりホコリ、ダニが少ない環境になるように、空気の入れ替えをマメに行ったり、布団を干すと良いでしょう。
肌を清潔にしようとしすぎて結果的に乾燥がひどくなる場合もあり、清潔を保ということと肌の乾燥を予防する保湿という2つのスキンケアは同時に平行して行う必要があります。熱いお風呂や長時間お湯につかることで簡単に皮脂は流れ出てしまうので避けましょう。石けんは良く泡立てて使い、ナイロンタオルやスポンジなどは使用せず手で優しくなで洗いしましょう。症状によっては石けんは使用せず、お湯のみで洗った方がいい場合もあります。
アトピー性皮膚炎以外の皮膚の病気でも肌にあったスキンケアは必ず必要です。治療と合わせてどのようなスキンケアを行ったらよいかわからないときはお気軽にご相談ください。
接触性皮膚炎(かぶれ)
症状と原因
いわゆる“かぶれ”の湿疹です。原因となる物質の刺激やそれに対するアレルギー反応によって生じます。接触した部位に赤みや水ぶくれが生じ、強いかゆみを伴うことが多いです。場合によっては原因物質を特定するためにパッチテストを行うことがあります。
治療法
原因物質を断つことが基本です。その上でステロイドの塗り薬を使用します。かゆみが強い場合には抗アレルギー剤の飲み薬を使用します。
伝染性膿痂疹
(とびひ)
症状と原因
湿疹があった部位に細菌感染が起こり、水ぶくれやかさぶたを生じます。主に乳幼児に好発し、接触により他人に伝染します。
治療法
シャワーなどで病変部位の清潔を保ちかさぶたになるまではタオルの共有などは避けるようにしましょう。抗菌薬が含まれた軟膏とセフェム系抗菌薬の内服を行います。
伝染性軟属腫(水いぼ)
症状と原因
伝染性軟属腫(水いぼ) とは、正式には伝染性軟属腫と呼ばれ、ウイルスによる伝染性の皮膚疾患です。直径2から10mmの小さな肌色のぶつぶつが小児の体やまれに顔にも生じます。徐々に増えていき、ときには数百個にもなることがあります。
治療法
痛み止めの効果のある麻酔のテープをあらかじめ貼って痛みを少なくしたうえでピンセットでつまんで除去します。
尋常性ざそう(にきび)
症状と原因
にきびとは正式名称は尋常性ざ瘡というもので、10〜30歳代までの青年期に多く、顔や背中、胸などの皮脂の分泌が盛ん場所に出やすいです。毛穴がつまることで盛り上がり、皮膚に元々住みついているアクネ桿菌という細菌が皮脂をえさに増殖することで炎症を起こし、赤いににきびに移行していくと考えられています。その他毛包虫(ニキビダニ)、ホルモンバランス、食事やストレス、化粧品なども発症に関与していると言われています。
治療法
重症のにきびだけが皮膚科での治療対象というわけではなく、白にきびや黒にきびなどの軽い症状でも適切な治療を行うことで炎症性のにきびへの移行を防ぎ、にきび跡の予防になります。
外用薬の処方
にきびの治療のメインは外用薬となります。
外用薬には①毛穴のつまりを改善する外用薬、②抗生物質が含まれた外用薬があり、①と②を併用することが多いです。
これらを使用することで今あるにきびを治す以外に、肉眼ではみえない毛穴のつまりを取り除き、にきびの再発を予防することができます。
炎症を伴っているにきびには抗生物質の飲み薬を併用します。また保険適応外ではありますが、ケミカルピーリングもにきびの改善に効果的で日本皮膚科学会のガイドラインで推奨されている保険適応外の治療はケミカルピーリングのみとなっています。
白癬(みずむし)
水虫(みずむし)症状と原因
水虫は白癬(はくせん)菌というカビの一種が皮膚の角層に寄生して生じます。白癬菌によって生じる皮膚病は足白癬の他、頭部白癬(しらくも)、股部白癬(いんきんたむし)など感染する部位によって別の名前で呼ばれることがあります。
水虫(足白癬)には足のゆびの間の皮膚がふやけてむける趾間型や土踏まずに小さな水ぶくれが多発する小水疱型、かかとを中心に皮膚が厚くなりかさかさしてくる角質増殖型などいくつかのパターンがあります。水虫に似た皮膚病はいくつもありますので当院では顕微鏡でしっかりと検査し診断したうえで治療を開始します。
治療法
水虫の塗り薬(抗真菌剤)を塗る頻度、期間、範囲などについて指導を行ったうえで治療を開始します。白癬菌はしぶとく短期間の治療では根絶やしにできないので自己判断で中断せず、医師の診察でOKが出るまで根気よく続けるので根治のコツです。
足爪白癬 症状と原因
足爪白癬(足爪水虫)とは:足の親指の爪に発症することが多いです。原因は足白癬と同じ白癬菌で、足白癬から広がって起こる場合が多く、爪の先から白く濁り厚くなってきます。
治療法
足白癬はクリーム剤や軟膏を使用することが多いのに対し、爪白癬は透過性のよい液体の塗り薬を使用することが多いです。爪白癬は足白癬より治りづらいため、抗真菌剤の飲み薬で治療することもあります。
陥入爪(まき爪)
症状と原因
巻き爪は爪の端が内側に巻き込んで湾曲した状態です。足の親指の爪に好発します。爪の端が横の皮膚に食い込むため痛みを伴うことが多いです。
治療法
テーピング法、ガター法、ワイヤー法などがあります。
テーピング法:爪の横の皮膚にテーピング用の伸縮性のあるテープを貼って、らせん状に引っ張ることで皮膚にかかる圧迫を減らす方法です。
ガター法:点滴用などの柔らかいチューブに切れ目を入れて食い込んでいる爪の端にはめ込み皮膚に直接当たらなくする方法です。
ワイヤー法:爪の両端に穴を開けてワイヤーを挿入し接着剤で固定します。ワイヤーのまっすぐに戻ろうとする性質を利用し、爪を矯正していきます。
熱傷(やけど)
症状と原因
やけどをしたら軽いやけどと思ってもまず皮膚科医に相談して治療することをお勧めします。はじめは浅いと思っていたやけどが実際には深いやけどで想像もしなかったような傷あとやひきつれを残してしまうことがあります。とくに最近はやけどをはじめとした傷の治療に対して優れた軟膏や被覆材が病院で使用できるようになっていますので、やけどの治療技術の高い皮膚科の先生に相談して適切な治療を受けることがとても大切です。
治療法
当院では状態に応じて創傷被覆材や外用を用いて創をできるだけきれいに治療する努力をしています。感染の疑いがあれば、抗生剤の内服や外用を用います。医師の診療によって判断します。
外傷
症状と原因
日常生活においても、けが(外傷)はよくします。けがと一言で言っても、その内容はすり傷・切り傷から、腱や骨まで達しているものまで、さまざまです。けがを扱う診療科も、整形外科や形成外科、一般外科など多岐にわたりますが、皮膚表面の傷をきれいに治す専門科に関して言えば皮膚科、あるいは形成外科となります。傷が深くて腱や骨、関節などが損傷しているかも知れない場合には、整形外科が扱います。何科を受診するか迷った場合には、とりあえず医療機関に問い合わせて状況を伝え、対応してもらえるかどうかを確認しましょう。当院では、主に皮膚の外傷を診察いたします。
治療法
当院では状態に応じて創傷被覆材や外用を用いて創をできるだけきれいに治療する努力をしています。感染の疑いがあれば、抗生剤の内服や外用を用います。医師の診療によって判断します。
鶏目・胼胝 (たこ・魚の目)
症状と原因
鶏眼は、足の裏や指などにできる円形の皮膚の硬い角質の塊のことです。一定部位に繰り返し刺激が加わり、角質が厚く芯のようになり、芯が神経を圧迫して痛みを生じます。胼胝は、どこかの皮膚の一部が慢性の刺激を受けて角質層が厚くなります。圧痛は無いことが多いです。胼胝は足の裏以外にも、生活習慣や職業やその人の癖などにより、身体のあちこちにできます。足底以外にも、生活習慣により、身体の様々な部位に生じます。
治療法
メスやコーンカッターを用いて厚くなった角質を削ります。場合によってはスピール膏を貼り、角質を軟らかくした後に処置を行います。
口唇ヘルペス
症状と原因
単純ヘルペスは単純ヘルペスウイルス1型あるいは2型と呼ばれるウイルスによる感染症です。全身のどこにでも生じますが、口唇や陰部、手指に好発します。始めはぴりぴり感や違和感が生じ、数日経ってから小さな水ぶくれが現れます。症状のピークを過ぎるとかさぶたとなり徐々に治っていきます。
治療法
抗ウイルス薬の内服を使用します。飲み薬に比べて効果は劣りますが、軽症のヘルペスや治りかけのヘルペスの場合ヘルペスウイルスを抑制する作用のある塗り薬のみで治療することもあります。又、内服に加え二次感染を押せるために抗生物質配合の塗り薬を使用することもあります。
帯状疱疹
症状と原因
帯状疱疹は、水痘(水ぼうそう)にかかった後、水痘のウイルス(水痘帯状疱疹ウイルス)は神経節というところに隠れています。ストレスや老化、免疫能の低下により隠れていたウイルスが神経節の神経に沿って皮膚と神経を攻撃する事で発症します。神経が分布している部位に一致して痛みや違和感が出現し、その後赤みが生じやがて水ぶくれとなります。痛みの程度は個人差があり、ほとんど痛みを感じない場合もあれば、眠れないくらい強い痛みを生じる場合もあります。
治療法
できるだけ早い時期に抗ウイルス薬の内服を開始するのが理想的です。痛みに対しては消炎鎮痛剤、神経障害性疼痛治療薬、抗うつ薬、ビタミンB12の内服薬を痛みの程度に応じて選択し使用します。
尋常性疣贅(いぼ)
症状と原因
尋常性疣贅は、いわゆる“いぼ”で手や足のゆびや手背や足底に好発します。自覚症状はほとんどありません。皮膚の小さな傷からヒト乳頭腫ウイルスが侵入し感染することで発症します。
治療法
液体窒素による冷凍凝固療法を行います。当院ではモノクロル酢酸という酸の外用も併用することで治療効果を高めています。その他ヨクイニの内服や活性化ビタミンD3軟膏の塗り薬を併用することもあります。
脂漏性角化症
症状と原因
皮膚に茶色または黒色の少し盛り上がったできものがみられる病気です。脂漏性角化症の主な原因は、紫外線の影響や皮膚の老化です。できものは色調、大きさ、形状などが人によって異なり、通常の皮膚の色に近いものや黒色に近いもの、数mm程度の小さなものから数cmの大きなもの、少し盛り上がる程度のものからしこり状に飛び出たものまでさまざまです。見た目の問題以外には健康に害を及ぼすものではありません。しかし、悪性黒色腫などの悪性の病気と判別が難しいこともあるため、必要に応じて医療機関での診断が必要になります。
治療法
脂漏性角化症は良性の病気であり、必ずしも治療を要するものではありません。ただし、自然に消滅することはまずなく、年齢を重ねるにつれて増えていくことが多いです。悪性の病気が疑われる場合は、病理組織検査のために手術で切除することもあります。見た目から悪性でないことが明らかな場合は、美容の点で気になる場合にのみ凍結療法、レーザー治療などの治療を行います。
診療内容
当クリニックはアトピーや
ニキビなどの一般皮膚科、
レーザーなどの美容皮膚科を行っております。
小さな肌のお悩みでもご相談ください。